「えっ、調査するだけが探偵?
とんでもありません! 探偵の世界にもいろいろあるのです。
ここでは、一般的にはあまり知られていないちょっと変わった探偵の世界をご紹介します。」


第08話  『浮気調査・例外篇 −前編−』  原作:サダ・マサシ

※はじめに御断りを申し上げます。
 浮気調査というのは、調査する側にとってはそれ程難易度の高いものではない。現場を押さえるという目的が明確であり、対象者の行動パターンも読みやすい。もちろん、忍耐力と機動力が必要なのは言うまでも無いが、結果が命のこの調査は、目的に達しやすい。今回は、この結果が出なかったことを書きたいと思う。失敗ではない。そこのところは誤解なさらないように。

 依頼は、30代の主婦からであった。5歳の女の子がいる。共働きで、家の中の事がおろそかになっていることが、夫婦間に亀裂を生じさせたという。よくある話だ。案の定、夫は職場の女の子といい仲になったらしい。奥さんが気付いたのは、夫の携帯電話のメールを見てしまったのが発端だ。いつも同様の案件で思うことだが、共働きで家の事がおろそかになるのは当たり前のことであり、ある程度は仕方の無いことである。そこを夫婦で補っていくのが、愛であり優しさだと思うのだが、最近の若い夫婦は、すぐに配偶者に責任転嫁し、自分のことは棚に上げてしまう。挙句の果てに、浮気だ別居だと安易な快楽の方向へ向いてしまう。我慢が足りないのだ。もう少し、結婚の意味を真剣に考えて欲しいものである。もう一つ、浮気が発覚する原因でダントツに多いのが、携帯電話のメールである。何故しっかり管理できないのかが、とても不思議だ。自己管理が出来ない人が、浮気に走っている傾向が強いのも、昨今の傾向である。
 
 依頼内容は、夫と職場の女性の不貞現場を押さえるものである。当然離婚の際に突きつける証拠にしたいわけである。慰謝料請求の最大の武器になる。
 
奥さんが持っている対象者に関するデータは、夫と同じ職場であることと名前だけである。メールの内容は、「会いたい」、「このまえはよかったね」とか「あの店の食事はおいしかった」というお決まりのものであった。何がこの前よかったのかは、大体想像できるがこんなことメールでやり取りするな、と言いたい。これらのメールを転送して保存しているのかと聞いたら、転送方法がわからなくて証拠は残っていないと言うのだ。困ったものだ。
 
こんな時代なのだから、モバイル機器に関する勉強は不可欠だ。しかし、このようなメールを見たら、びっくりするし、うちの人に限ってそんなことは無いとある程度は信用し、それなりに話を聞いてみるのが筋であろうが、この奥さんは、完全に疑ってしまっていた。疑うと言うことは信用していないこと、つまり今までの夫婦生活は何だったのかということになる。愛情があるのなら信用も出来るはずである。
 
信用していれば、夫も正直に話す可能性もある。事実を偽ったとしても、女房は信用してくれていると思っていれば、必ず罪悪感が生じる。そこからの浮気は長続きしない。夫婦が現在に至るまでの道のりと、ぽっと出の浮気相手とは重さが違う。
 
必ず、男はどこかで歯止めをかけるはずである。ところが、いきなり女房に大騒ぎされるとどうなるか。男は開き直り、ますます別の女に走るようになる。更に泥沼の展開になる。あとは破綻へとまっしぐらである。
 
大事なのは夫婦間の信頼である。家庭に逃げ場がないと外へ向かってしまうのは当然のことなのである。女性側としては納得いかない面があるだろうと思う。しかし、夫婦関係や家庭を壊したくないと言う思いがあるのなら、どんな証拠を見つけても、一度冷静になり相手を信用し、やんわりと話し合うことが事態を平穏化させる。もちろん、妻が浮気して夫がそれを知った場合も同様である。そして、どのような時もお互いよく考えて欲しいのが、何故妻が、夫が、浮気をしたのだろうかと言うことである。自分の何処がいけないのか、至らぬところは何処にあるのかと言うことだ。浮気に対する怒りを浮気相手にぶつける人が多いが、自分のことはどうなの?あなたに悪いところがあるんじゃないの?と言いたくなる時があるのも
事実である。
 
 夫の退社時間はほぼ決まっているらしい。残業がある場合は家に連絡がある。とても調査しやすい状況だ。通勤は自家用車である。これも好都合。ここまでいい条件がそろっていれば、数日で結果が出るだろうと思われた。奥さんの情報から、現場着手する日を決めた。その日に会う確率が高いと言うのである。
 
頼りは依頼者の情報なので、当然依頼者の情報は信用する。奥さんの情報ソースは夫の携帯電話のメールである。信憑性は高い。ところが、3日着手して、いずれも空振りであった。まっすぐ家に帰っているのである。怪しい行動も無い。いたって真面目なサラリーマンであった。聞くところによると、タバコもすわない、ギャンブルもやらない、酒は下戸、楽しみは読書とテニスという人柄であった。矛先を変えてみた。下の名前しかわかっていない浮気相手の女性を割り出し、その女性をマークしてみることを奥さんに提案した。
 
奥さんも、それは良い、と言って賛成。すぐ行動に移した。浮気相手の女性の割り出しは早かった。夫の会社の女性社員は各部署合わせて、60人ほどいたが、その名前は一人だったのである。年齢は奥さんと同じ位で、既婚者であった。子供はいない。そしてかなりの美人であった。部署は秘書課。なるほどそういう物腰であった。退社時刻はほぼ決まっていた。だが、夫と一緒ということは一回も無かった。一度、年上の男性と二人きりで出て来た。秘書をしている役員かと考えられたが、なんと、同じ家に帰って行ったのである。
 
どうやらこの女性の旦那であったらしい。調べてみると、会社社長の息子であり、その女房だったのである。これは一体どういうことなのであろうか。その後、数日間浮気相手の女性をマークしたが、接点は浮かんで来なかった。その間夫はいつもどおり家に帰ってきていた。再度、作戦会議を開く必要が出て来た。これ以上は調査費もかさんでしまうし、同じ事の繰り返しになる恐れがあったからである。

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