「えっ、調査するだけが探偵?
とんでもありません! 探偵の世界にもいろいろあるのです。
ここでは、一般的にはあまり知られていないちょっと変わった探偵の世界をご紹介します。」


第11話  『行方調査・やるせない篇 −前編−』  原作:大杉具多

今回の探偵日誌は私が担当した「行方調査」についてお話しいたします。
探偵社を訪れる依頼者は切実な想いでやって来る方が大半であるが、行方調査においてはそれが特に顕著であるといえる。

今回の案件の依頼者は失踪人のご両親であった。
ある日突然、特に変わった様子もなく、いつものように家を出て行った息子がそのまま帰って来ないのだという。(その時、所持金はあまり持っていなかったのと勿論、銀行口座に残高もありませんし、サラ金などに限度額いっぱいまで借入をしている状況であった。)
調査料金は、ある程度かかっても構わないから何としても見つけ出して欲しいと切望された。当然、警察に捜索願は届済みであったが、警察は事件性がないとなかなか動いてはくれないし、家出人の行方調査となれば尚更である。

話は少し逸れるが、数年前から特に問題になっているのがストーカーによる傷害事件や殺人事件である。当社が今回受件した調査の対象者は男性であったが、最近でも女性がストーカーに殺害されるという事件が起こった。そして事件後になって決まって問題になるのが被害者の訴えに対する警察の対応の悪さである。被害者、もしくは被害者の家族が警察に何度も助けや被害を訴えているのも関わらず相手にされないというケースだ。事件は起きてからでは遅いのである。ストーカー禁止法が制定されたとはいえ、まだまだ警察の対応等には改善が必要だった。しかし、これが実状でもあるのだ。

話を元に戻すと、今件の依頼者も警察に捜索願を届けたが、数ヶ月経っても息子は戻らず、何の進展もなかったので、業を煮やして今度は市の消費者センターに相談することにした。そして消費者センターから東京都調査業協会を経由し、当社が紹介されたのである。

行方調査は長期間に及ぶ場合が多く、調査料金もある程度の額になってしまうが、今件の依頼者はそれを決して高くはないと考えておられたようだ。考え方は人それぞれであるが、お金には代えられないことであるのは事実といえる。行方調査は浮気調査や素行調査などと比較して難易度の高い調査であり、成功率も低く、依頼者の持つ情報量と質に大きく影響される。
どんな調査も依頼者側から得られる情報は重要である。それが行方調査では特にそうであり、その情報を元に調査方法及び計画を導き立てる。
しかし、依頼者が周知している失踪人に関する情報はあまりにも少なく、調査は難航するものと予想された。

まず、行方調査を行う上で最も有効な方向性のひとつが交友関係からの調査であったが、普段から対象者は人付き合いがあまりなく、その線からの調査は望めなかった。
次に、失踪人がある日突然失踪した原因は何であるのか、失踪人の両親でもある依頼者に訊いた。これも当然、調査を行う上で重要な手掛かりとなる。
答えは「はっきり言ってわかりません。ただ、借金があり月々の支払いが十数万にもなっていて、給料のほとんどがその借金に消えていて、遊ぶことも出来ずにいたようだったから、そのことが原因のひとつだったのかもしれない」とのことだった。
誰にでも家族に話していない、家族には窺い知れない悩みや事情などはいくらでもある。全てを投げ出して、どこかへ逃げたくなるということもあるのだろう。

その他、失踪人に関する様々な質問をし、またどんな些細なことでも構わないからと、依頼者の知っていることを聞き出しメモに留めた。
なんとか使えそうな情報は「パチスロと競輪が好き」であることぐらいだった。そして、対象者は数年前にも一度失踪していて、その時は父親が隣街のパチンコ店で偶然見つけて連れ戻したということがあったそうだ。更にもうひとつ有力といえたのが、対象者が失踪時に乗って行った車である。写真はなかったが、車名とナンバーは判っていた。

得られた手掛かりは少なく、雲を掴むような調査であったが可能性がないわけではない。
当社としては全力を尽くして調査にあたるが、契約期間内に絶対に捜し出せる確証はないことを伝え、それを依頼者も「もちろん解っています。手掛かりが少ないですから難しいと思います」と承諾され、当社としても無論捜し出すつもりで依頼を受けた。
依頼者の母親は特に、失踪人である息子のことが心配で夜もまともに眠れず、食事も満足に喉を通らないと仰っていた。私はこの調査の成功確率を高めにみても五分以下と考えていたが、依頼者のその時の心情を察すると何としても見つけたいという気持ちでいた。

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