「えっ、調査するだけが探偵?
とんでもありません! 探偵の世界にもいろいろあるのです。
ここでは、一般的にはあまり知られていないちょっと変わった探偵の世界をご紹介します。」


第12話『ホントに“まいった”疲労困憊ハードな1日篇 −前編−』原作:大杉具多
 
 今回の探偵日誌はとてもハードだった1日をお話しいたします。

 案件としてはよくある普通の「素行調査(異性関係調査)」で、対象者は都内に勤める30代の男性。勤め先は都内だったが、自宅は東京ではないので電車を使った長距離通勤となる。
 最終的な目的は勤務先の特定と退社後の素行調査だった。調査期間は5日間で、もし期間内に結果がでなければ、その後の2日間を無料で調査にあたる契約だった。調査期間的には比較的に余裕があったが、我々は1日目から結果を出すつもりで全力で調査にあたるつもりでいた。
※後になって思えば、ペース配分というものは必要だったのだと思う反面、
 結果としてはこの調査1日目が勝負の日であった。

 今回の調査は私と、事務所のK先輩が主に担当することになった。K先輩と組んでの調査は、今回でまだ2回目だった。K先輩は探偵としてのキャリアは長く、経験や知識などは私の何倍もあるだろう。本来、今回のような行動調査にあたることは稀で、聴き取りや交渉などの調査を担当することが多い人であった。また、冗談を好み、社内ではムードメーカー的存在の非常に面白い人である。

 我々はまず対象者宅付近にて張り込み、対象者が出勤するのを待った。この日は朝の4時に起床し、現場に到着したのは6時という、早朝からの着手であった。
※探偵にとって、早朝や深夜の仕事は決して珍しくないことではあるが、朝に弱い
 私としてはやはり辛いのであった。その上、その日の晩は寝つきが悪く、3時間
 ほどしか睡眠をとれなかったので、起きるのがとても辛かったが、それは私だけ
 ではなかったようだ。K先輩にいたっては深夜から早朝にかけて腹痛に襲われ、
 トイレに駆け込むこと数回、寝るどころの話ではなかったらしい。生活リズムを
 崩すと、体調も崩す。2人揃っての睡眠不足。こうしてハードな1日は始まった
 のである。

 着手から1時間ほどして、対象者が自宅を出た。
 それを細心の注意を払い、私とK先輩はお互い間隔を空けて尾行する。満員電車を乗り継ぎ、約1時間半の乗車。そして都内某所の地下鉄の駅で下車。私も見失わないよう、すぐにあとを追った。
 そして駅からすぐ側にあるビルに入るのを確認した。どうやらここが勤務先の会社があるビルのようだ。目的のひとつが判明し、ホッとする。しかし、本当に大変なのはこれからであった。
※簡単のように思われるかもしれないが、電車での尾行は頭で考えているほど簡単
 ではない。通勤ラッシュ時や、乗り継ぎの多い場合は特にそうである。一瞬でも
 対象者から目を離すと見失ってしまうことがある。加えて、相手に不審がられな
 いように追い続けなければならないのだ。
 
 ホっとした時、あることに気がついた。そう、K先輩の姿が見えないのだ。今の駅で下車はしたのだろうか――。
 どうしたのだろう。とにかく私は、携帯電話に連絡を入れると、K先輩はすぐに応対した。どうやら、ことの経緯は次のようなものだったらしい。
 K先輩は、車内では私と反対の方向から監視を続けていたが、途中、激しい腹痛の波が再び襲ってきて、ついにはどうしようもなくなって対象者が降りた駅の前の駅で降り、トイレに行っていたということだった。
 大変な話である。
 ある意味、波乱で幕開けた今日の長い長い調査は、まだ始まったばかりであった……。


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