「えっ、調査するだけが探偵? とんでもありません! 探偵の世界にもいろいろあるのです。ここでは、一般的にはあまり知られていないちょっと変わった探偵の世界をご紹介します。」


第15話 『車両追跡/ルーキー“TM”登場篇 −後編−』 原作:大杉具多

 K先輩が調査中に起こす腹痛にも、いい加減驚かなくなってきたものの、私は心の中で「また、いつもの病気が始まったか……」と溜め息をついた。そして仕方がないので「わかりました。それでは後ほど連絡ください。こちらの現在位置を教えますので」と言って電話を切った。
  ※この時点でK先輩は頼れなくなってしまったので、ルーキーのTMと二人で
   やるしかなくなってしまった。

 その後、対象者の車は通りの少ない道へと入り、山道を登って湖のほとりまで行くとそこで車を停めた。TMは初めてにしては巧みに追跡し、今のところ対象者に気付かれた様子はなかった。
 湖のほとりに駐車した対象者二人は、今日の調査開始後初めて車を降り、湖の周囲を歩いてまわる様子だったので、TMを車で待機させ、僕はビデオカメラを持ってあとを追った。
  ※ここは市街地からはかなり離れた場所のせいか、携帯電話の圏外だったため
   K先輩と連絡を取ることができなかった。おそらく今頃、K先輩はすっきり
   したお腹で私たちを探しまわっていることだろう。

 その後、対象者の二人は湖の周囲を手を繋ぎながら歩き、お互いの腰に手をまわすなどしていたので、その様子をビデオと写真に収めた。これで対象者二人の間柄は友達などではなく男女の仲であることの証明と、浮気相手の女性の写真を入手することができた。理想としてはホテルに入ったところなど、離婚調停の際に証拠とできる決定的な証拠が欲しいところだったが、この日の調査ではそこまで望むことは叶わなかった。
 もうひとつ今日の調査で割り出したかったことは浮気相手の女性の住所地だった。このまま追尾を続けていれば女性の家の前、もしくはその近くまで車で送る可能性があったので、わたしとTMは気を抜かずに監視を続けた。

 一時間ほどして対象者二人は車に戻り、湖を出発した。私とTMもすぐにそれぞれの車であとを追う。
 しかし、しばらく走ると対象者の車はさらに車通りの少ない山道へと入って行った。道も細く、追尾するには目立つ場所だったので、私は追尾を断念することにした。無理な追跡をして気づかれたり、車を憶えられたりするくらいなら日を改めて調査した方が良いと判断した。深追いは避けるべきなのである。
 しかし、今日が初調査のMTは「見逃さないように追うべし」というこちらの支持に忠実に従い、追い続けてしまったのである……。そして私たち三人は各々がバラバラになってしまったのだった。


 このページは月に一度の予定で更新します。ご感想をお寄せ下さいませ。
またのご来訪をお待ちしています。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ご相談・見積り無料

    

Phone : 0428-25-2703 (代) FAX : 0428-25-2704
有限会社 英探偵事務所  〒198-0032 東京都青梅市野上町3丁目4番地の9
P.I. Office of HANABUSA  4-9,Nogami 3-chome Ome-City,Tokyo 198-0032 Japan

(社)日本調査業協会加盟(登録1063号) 東京都調査業協会理事



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Copyright 1998-2003 P. I. Office of HANABUSA. All rights reserved.